
「憧れ」という感情は素敵だ
そういう感情を持てた時期があったことに感謝しなくてはならないと思う
京都で学生をしていた頃、毎週木曜日に下宿近くにあった本屋で週刊プロレスを立ち読みするのが楽しみだった
「なんでロープに振られたら戻ってくるんですか?」的な「それを言っちゃあおしめえよ」なプロレス感は学生時代という自我の形成時の自分にとって多大な影響を与えてくれた
プロレスとは相手の肩をマットに着けてスリーカウントを獲れば勝ちというスポーツ
それが競技する目的
競技スポーツというのは目的達成の為に手段(プロセス)が存在する
ただ、プロレスというジャンルは「勝利」の為に競技をしているのではなかった
勝てば良いというものではない プロレスは若い自分にそのことを教えてくれた
勝つことが許される状況を創ること、それがプロレスの目的だった
武藤敬司というプロレスラーは20代の頃の自分に「憧れ」という感情を教えてくれた存在だった
勝ち負けにこだわる「UWF」というイデオロギを「おもしろくねえもん」と一刀両断した
勝ちにこだわる思想は人生に快楽を与えてくれるが幸福感は与えてはくれない
幸福感や生き甲斐(己の存在価値)はたとえ負けてもその中に見出すことができる
2023年2月21日、武藤敬司引退
お疲れ様でした、そして、ありがとうございました
あなたがいて、本当に良かった