
ご存じですか?
クレーンの世に「パンサーX(エックス)」なる商品が存在します。型式で言う所のRK-250-7、-8、RK-700がそれです。
特徴?
スペック上ですか?
エンジンが上に付いてるとか、そんなものはいまとなってはどうだっていいんです。
それが発売された2008年5月から時は流れ、今は令和。すべては過ぎ去りしことです。
ただ、僕がこれからも忘れないし、クレーン業界の住人として忘れてはいけないもの、いや、忘れてはいけない光景は、パンサーX発売の時に新神戸駅前のホテルで開催された「内覧会」という名の狂乱の宴において繰り広げられた「阿波踊り」です。
それは、我々、販売代理店が一堂に会す中、コベルコクレーン社員が余興として披露したものでした。
世はまさにリーマンショック前夜。外需に引っ張られた油圧クレーンの過熱する国内需要。新車納期1年待ち。やっちゃえコベルコ。
踊るアホウに見るアホウ 同じアホなら踊らにゃ損、損。とばかりに踊り狂うコベルコクレーンスタッフ。そして、それを見ながらビュッフェスタイルの鉄板焼きで神戸牛のステーキしか食べない僕。
いいですか皆さん、「黒歴史」とはまさにこういうのを言うんですよ!
今、中古車として買い付けたパンサーXを見るに、琵琶法師の如く、心の中にただ荒涼とした風が吹き抜けていくだけです。